不況で職を失い、失業保険などのセーフティーネット(安全網)からもこぼれ落ちてしまいそうな人たちを救おうと、県内のキリスト教系教会で支援が広がっている。「住む場所がなくなった」「何か食べる物が欲しい」と、救いを求めて教会を訪れる人の多くは外国人労働者。教会では「信仰や国籍は問わない」と、敷地内の建物を住まいとして提供したり、信徒から寄付された食べ物を配るなどして支えている。
「近くに困っている人がいたら必ず連絡してください」。佐野市大祝町のカトリック佐野教会で月1回、開かれるポルトガル語のミサで神父が約30人の外国人に呼び掛けた。子どもを抱いて訪れていた同市の日系ブラジル人男性(28)は「2カ月前に工場で解雇され、その直後に子どもが生まれた。失業保険も間もなく切れてしまうので、家族を養えるか不安」と深刻な表情を浮かべる。
県内の教会には昨年末から、多くの失業者が訪れるという。同教会のシスター、白浜光恵さん(62)は「長引く不況で追い詰められている人が増えている。無一文になってしまったという人も多い」と話す。
外国人の多い真岡市台町のカトリック真岡教会では、自動車部品会社で雇い止めに遭い、社員寮を追い出された日系ブラジル人が駆け込んだ。教会では敷地内の住居に住まわせ、その間に空いている市営住宅などを探した。
また、教会に通う信徒から「近所で仕事を失い、病気になった人がいる」という情報が寄せられると、寄付されたコメや缶詰、カップラーメンを持って自宅を訪ねたり、病院に付き添うなどの支援を行っている。
同教会の山口明裕神父(39)は「不況下で後回しにされてしまう外国人たちは深刻な状況にある。そんな中でも、人を思いやる気持ちが大切なんだということを伝えたい。それが希望につながれば」と話している。