県内の産業団地分譲が本年度、好調だ。景況感が上向く中、立地の良さなどが追い風となり、目立った動きが少なかった県北も活況を呈している。一方で分譲できるストックは減っており、県や市の担当者からは「ニーズに応えられない」などとうれしい悲鳴も。企業誘致の好機到来に、各地で新たな産業団地開発が加速している。

 東北自動車道矢板インターチェンジ近くの矢板南産業団地(矢板市)は昨年6月、7年ぶりに分譲が決まった。進出した自動車部品製造の小出鋼管(高松市)、吉田剛司(よしだたけし)副社長は「取引先のある首都圏と東北両方にアクセスしやすい」と利点を挙げる。同団地は本年度、計3社が契約した。

 また大田原市では昨年12月、大手化粧品メーカー資生堂が中田原工業団地の6・7ヘクタールを取得。品川台工業団地は同9月に完売した。

 企業立地の波が訪れた背景には投資意欲の高まりとともに、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開通や災害時のリスク分散など、複数の好要因がある。特に「圏央道周辺で用地が減っており、本県へ波及してきている」と県土地開発公社の担当者は説明する。

 昨年10月に完成した栃木市の千塚産業団地は既に6割超を分譲した。残りも全て商談中で、計画を上回るペースという。

 ただストックの確保が課題となっている。分譲可能な県内20の産業団地には昨年6月時点で計117・8ヘクタールの“商品”があったが、このうち県が整備する産業団地だけでも約40ヘクタールが今年2月末までに分譲済み(予約含む)になるなど、ラインアップが減っている。

 対策として現在、県企業局が足利市にあがた駅南産業団地を、県土地開発公社が野木町に野木第二工業団地を整備中だ。また芳賀町と上三川町でも新たな整備に向け、基礎調査が進む。