■温暖化県内植物に異変 桜開花7日早まる イチョウの黄葉20日遅く 今世紀に入り宇都宮

2008/04/28

宇都宮市の桜開花日、イチョウ黄葉日

 二〇〇〇年代に入って宇都宮市の桜(ソメイヨシノ)の平均開花日が一九五〇年代と比較して七日早まっていることが宇都宮地方気象台の生物季節観測データで分かった。イチョウが色づく黄葉日も二十日遅くなっており、身近な植物の生育環境にも温暖化の影響がくっきり表れた格好だ。

 同気象台は統計を始めた一九五三年以降、敷地内の桜やイチョウ、イロハカエデなど二十四種目の植物を目視観測している。

 観測データによると五〇、六〇年代にそれぞれ四月五日だった桜の平均開花日は九〇年代で四月一日、二〇〇〇年代で三月二十九日と早まる傾向にある。

 傾向は秋のススキも同じで、五〇年代の平均開花日九月六日が二〇〇〇年代には八月二十二日まで早まった。

 温暖化傾向は年平均気温でもくっきり。同気象台によると、一八九〇年代一二・一度だった宇都宮市の年平均気温は二〇〇〇年代に一四・二度に。ほぼ百年の間に二度前後上昇した。

 全国平均はこの百年で一度前後の上昇で、宇都宮の上昇率は高いという。同気象台は「建物が増えて風通しが弱くなったり、アスファルトが太陽の熱を反射して気温が下がりにくくなるなど都市化の影響が一因」と分析している。

 秋の訪れを告げる葉の色づきも遅れている。イチョウの黄葉日(葉の大部分が黄色になる)は一九五〇年代で平均十一月十一日だったが、二〇〇〇年代は十二月一日まで遅れている。イロハカエデの紅葉日も十三日間、落葉日も二十五日間それぞれ遅れている。

 宇都宮大農学部の本條均(ほんじょうひとし)教授(農業気象)は「温暖化はナシなど落葉果樹の開花や品質にも影響を与えており、今後安定生産に向けて気候変動に耐えうる栽培管理技術が求められる」と指摘している。

 一方、宇都宮市の俳人水沼三郎(みずぬまさぶろう)さんは「冬は雪が降らず詠みにくくなっている。温暖化に伴う植物の移ろいの変化も感じます」と話している。