【大田原】任期満了に伴う市長選は、新人で前県議の津久井富雄氏(60)と現職で6選を目指す千保一夫氏(67)が14日の投開票に向け、市を二分した激しい争いを展開している。市政刷新を掲げ変革の風を吹かせたい津久井陣営に対し、千保陣営はこれまでに培った自前の強固な組織で対抗。選挙戦は、横一線の予断を許さぬ状況となっている。
津久井陣営は、前回の県議選の後援会を中心に選対を組んだ。市議会会派・政友会の藤田紀夫会長ら同会の6人が支援。本沢節子市議など無会派市議らも後押しする。
「肩書にとらわれない草の根選挙」(選対幹部)を掲げ、行動力、運動量で票の掘り起こしを狙う。1月末からは、通勤時間帯に市内各所で十数人が「市政刷新」の旗を掲げ、行き交う人々にアピール。告示前にはいち早くホームページやブログも展開し、若い世代への浸透を図っている。街頭では子育て世代を対象にした政策を強調し、浮動票の取り込みを狙う。
一方の千保氏は、きめ細かな後援会組織が最大の強み。市町村合併で選挙区が拡大したことで、新たに黒羽、湯津上地区にも組織を立ち上げた。大田原地区の組織も細分化し、計16支部とし、小回りのきく態勢を構築した。
印南久雄市議会議長をはじめ、市議会最大会派の真政クラブ15人が結束して支援。黒羽地区を地盤とする郡司彰前県議の協力も今回新たに取り付けた。市中心部を細かく回り、「初当選した選挙以来」(選対幹部)というほどの“どぶ板“で政策を訴える。実績とともに継続性を強調して票の上積みを図るとともに、組織の引き締めにも重点を置く。
前回の投票率は55%台と低迷したが、激戦の今回は両陣営とも60%を超えると見ている。終盤にきて、両選対幹部は「農村部での色分けが鮮明になりつつある」とみて、ともに大票田の旧大田原市街地に力を注ぐ。
両候補ともにみんなの党代表の渡辺喜美衆院議員の支持者で同門対決の様相の今回の選挙戦。両陣営が入り乱れ各地区で票の流れが混沌とするなか、投票率や浮動票の行方が注目される。