■インサイド 農政論争押収激しく 一人区勝敗の鍵(2007/05/31)
「一言、言わせていただきたい」。二十六日、さくら市で開かれた自民・国井正幸氏の後援会総決起大会。壇上で決意表明を行っていた国井氏の顔色が怒りで紅潮した。
左手には民主の農業政策パンフ。「こんなことを書いている政党に政権を渡すわけにはいかない」と声を張り上げた。
農協出身の国井氏は、興農政治連盟の全面的支援を受ける。現在、農水副大臣の座にある国井氏の逆鱗(げきりん)に触れたのは「米がたとえ一俵五千円になっても、中国からどんなに安い野菜や果物が入ってきても、すべての販売農家の所得は補償され農業が続けられる」という一文だった。
そこには例示として現行の米の価格水準(一俵一万五千円)に見合った収入を確保するために、市場価格が五千円なら一万円の所得補償を行うことが明記され、生産調整を廃止することが示されていた。
国井氏は「現在、米は栽培可能面積の六割で需給が維持されている。財政的な根拠がない上に、余った物をさらに作るのに税金を投入するという。こんなことが許されるわけがない」と断じた。
故渡辺美智雄副総理の言葉を借り、「毛バリ」ともやゆした。
二十九日の定例記者会見で、福田富一知事も民主の施策に疑問を表明し、「財政の裏付けや、生産調整の問題をさらにきちんと説明すべきだ」と注文を付けた。
一方、民主の農家を対象にした攻勢は、日を追うごとに激しさを増している。決起集会など各会場の先々で、谷博之氏は「政府、自民の農政では日本の農家、農業は守れない」と訴える。
小沢一郎代表は農業政策を参院選の大きな争点の一つに掲げており、党本部に設置された「農協等改革本部」の事務局長を務める福田昭夫衆院議員は、ひときわ厳しい批判の矛先を現在の与党農政に向ける。
政府、自民が品目横断的経営安定化対策で、担い手として助成の対象で四ヘクタール以上の農家、あるいは二十ヘクタール以上の集落営農組織を基本としている。これに福田氏は「補償金の大幅削減が狙い。四ヘクタール以上でもいずれ、国際分業の考え方の中で補償金は削減されていく」と指摘する。
自民が批判する財政の裏付けについても、農水省の予算の見直し、さらに特殊法人や独立行政法人の改革を進め、国の無駄を排除することで「当面の一兆円はもちろん、将来も十分に手当てできる」と胸を張る。
福田氏らは今月、県内農協との意見交換もスタートさせた。標的は県内約七万一千世帯の農家。谷氏の勝利に向け、国井氏最大の支持基盤に手を突っ込んだ格好だ。
一人区の結果次第では政界再編の可能性もある今度の参院選。全国注目の本県で、自民、民主の農業をめぐる駆け引きが、さらに激しさを増すのは確実な情勢だ。
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