那須町で登山講習会中だった大田原高の生徒と教員の計8人が死亡した雪崩事故で、県高校体育連盟(高体連)と同登山専門部は3日、大田原市内の公共施設で、遺族らを対象に説明会を開いた。両者の説明会は昨年5月、同9月に続き3度目。改めて作成した事故報告書を配布し、遺族らの質問書に対して事故の認識などを回答したが、遺族からは「具体性に欠ける」などと不満の声も挙がった。説明会は予定していた内容全てを終えられず、来週以降に再び開かれる。

 説明会は非公開で約7時間にわたり行われた。遺族や生徒の保護者ら13人が出席し、高体連側は塩沢好和(しおざわよしかず)会長や三森謙次(みもりけんじ)登山専門部長、講習会に参加した教員ら18人が出席した。

 高体連側によると、「報告と検証」と題した102ページの事故報告書は、県教委の事故検証委員会が昨年10月にまとめた最終報告書をベースに作成した。独自の項目として、事故後の同専門部の取り組みなどを記載。体制や事業の見直し、顧問研修の充実など再発防止策にも触れた。

 遺族が事故への認識や講習会の体制に関する見解などを問うた質問書に対しては、回答書を用意。塩沢会長や三森専門部長らが「代替案を含め、計画と目的に綿密さが足りなかった」「安全対策や連絡体制に不備があった」などと説明したという。

 一方、時間が足らず、事故報告書の大部分の解説、講習会の責任者だった前専門委員長らとの質疑は次回への持ち越しとなった。

 事故で犠牲となった同校教員毛塚優甫(けつかゆうすけ)さん=当時(29)=の父辰幸(たつゆき)さん(65)は終了後、「回答は非常に短い文章で具体性に欠ける印象。私たちのお願いを真摯(しんし)に受け止めていないのではと感じる」と話した。

 昨年9月の説明会は高体連側の回答に遺族らから不備の指摘や疑問が相次ぎ、遺族らが高体連や同専門部の新旧役員、講習会の参加教員それぞれに質問書を提出していた。