古文書を手にする赤羽さん。右は古文書が入っていた箱

 【那須】江戸時代の1735(享保20)年に町奉行大岡越前守(おおおかえちぜんのかみ)が商人を対象に出した定めに関する古文書が横岡、無職赤羽昭夫(あかばねてるお)さん(89)方に保管されていることが分かった。各地を移動し、見せ物や物売りなどをする商人「香具師(やし)」の職種を63種から13種に集約するなどした内容で、1828(文政11)年に書き写された。町内の古文書などを所蔵する町教委生涯学習課によると、町で香具師に関する古文書が見つかったのは初めてという。

 古文書は縦32センチ、横23センチで8ページ。定めの改正などで、1828年を含め4回、書き写されてきたとみられる。

 古文書に詳しい郷土史家の伊藤晴康(いとうはるやす)さん(61)=芦野=によると、居合抜きや曲芸を行う「愛教芸術」、諸国の薬を仕入れて販売する「目前(めのまえ)」などに香具師を分類。また、ぜいたくな薬の販売を禁じているほか、同業者が押し売りを見つけた場合、国元へ追放するよう書かれている。

 書き写したのは、芳賀郡大内庄赤羽村(現市貝町赤羽)の長崎屋萬次郎。伊藤さんによると、萬次郎は地域の香具師仲間の中心的人物とみられ、定めを仲間に周知するため書き写したと考えられる。