茨城県の日立港から陸上輸送によって運ばれていた新幹線「E2系」先頭車両が25日午前4時前、宇都宮市中岡本町の鉄道架線関連製造、三和テッキ宇都宮事業所に到着した。未明にもかかわらず、沿道にはカメラを構える人たちが待ち構え、事業所前にも大勢の人が詰め掛けた。

 車両は同社が創業110周年を記念し産業遺産の保存を目的に払い下げた。今秋以降、見学を受け付ける。

 陸送は25日で3日目。大型トレーラーにけん引された車両は午前2時、小山市梁の日本通運倉庫を出発し国道50号、新4号国道を通過した。

 事業所前でも数百人が「こんな光景はめったに見られない」と到着を待った。先導車が近づくと、「来た、来た」と歓声も。新幹線車両がゆっくり通り過ぎると、多くの人がカメラを構えながら追いかけ、警備員が整理に追われた。

 さくら市から娘2人と来た母親(39)は「鉄道が大好き。迫力がありすごかった」と感激し、東京から友人と3人で来た男子大学生(21)は「コンビニの横を新幹線が通ってくるなんて絶対普通じゃ見られない。遠くから来たかいがあった」と興奮気味。事業所近くの自営業男性(35)は「こんなお祭り騒ぎ初めて。地元の名物ができ、公開が楽しみ」と話していた。

 事業所では宇佐美道雅(うさみみちまさ)社長ら社員20人近くが待ち受けた。静態保存レールへの移設作業を見守った宇佐美社長「感慨無量です。無事到着でき、関係者の皆さまに感謝したい」と安堵(あんど)していた。