上野文七郎撮影「栃木県庁正面全景」(1884年撮影、福島県立図書館蔵)

 文明開化期に写真師として活動した上野文七郎(うえのぶんしちろう)(1839~98年)について伝える企画展「開化商人上野文七郎と写真館上埜」が宇都宮市昭和2丁目の上野記念館で開かれている。文七郎が撮影した写真や関連資料など約200点を展示している。宇都宮の初代県庁舎や、県内各地を県南から北上して撮影した写真などが並んでいる。

 鉄砲町(現在の宇都宮市馬場通り2丁目)町名主だった文七郎は、宇都宮の上野家の系脈。写真を誰に師事したかは明らかではないが、県令三島通庸(みしまみちつね)の御用写真師として明治10~20年代には公的な写真を一手に引き受けた。

 1879(明治12)年に米国のグラント元大統領一行が日光を訪れた際には、伊藤博文(いとうひろぶみ)、西郷従道(さいごうつぐみち)ら政府高官との記念写真を担当した。

 84(明治17)年には宇都宮の初代県庁の写真を撮影。正面から撮影した構図は日本近代洋画の父高橋由一(たかはしゆいち)が描いた県庁の下絵とほぼ同じで、「文七郎の写真が基になっている」と同記念館の上野憲示(うえのけんじ)館長。二荒山神社裏からの遠望もある。

 同展は3月17日まで。(問)同館028・625・5905。