菜の花を献花する出席者

 【佐野】市内で終戦を迎えた作家司馬遼太郎(しばりょうたろう)さんを追悼する「菜の花忌」が11日、寺中町の植野地区公民館で営まれた。

 司馬さんは22歳の時、戦車師団の小隊長として終戦前後の約4カ月間、佐野に滞在。死と向き合い、なぜ愚かな戦争をする国に生まれたかと疑問を持った。後に、この疑問に答えるように22歳の自分に手紙を書き、これが司馬さんの原点になったといわれている。

 佐野を愛し、「佐野の露地から露地へ通り抜けるのが、たまらなく好きだった」との文章も残している。駐屯していた同公民館に隣接する植野小は、司馬さんが好んだ菜の花を植栽。市民有志が2009年、同公民館に文学碑を建立した。

 「菜の花忌」は、昨年の没後20年に続き2回目。地元の有志らで組織する実行委員会関係者をはじめ岡部正英(おかべまさひで)市長、市議など約40人が出席した。