カスリーン台風で浸水被害に遭った生井地区(小山市提供)

 【小山】水害発生から15日で70年を迎えるカスリーン台風の教訓を今後に生かそうと、市は16日、下国府塚(しもこうつか)の道の駅思川小山評定館で記念行事を開く。防災関連の講演のほか、被災体験談の映像上映やパネルを展示する。水害被災者の体験談を集めた記念冊子(A4判、45ページ)も1200部作製し、会場で配布する。

 県内で352人の死者を出したカスリーン台風。市によると、生井地区でも堤防が決壊し、寒川や生井のほか隣接の部屋、赤間(旧藤岡町)で死者・行方不明者計36人、浸水家屋1846戸、流失家屋75戸の被害に見舞われた。

 記念行事では三橋(みつはし)さゆり国土交通省利根川上流河川事務所長、鷲谷(わしたに)いづみ中央大教授、片田敏孝(かただとしたか)東京大大学院特任教授が行政の取り組みや防災への備えなどをテーマに講演する。

 記念冊子では下生井や白鳥などの被災住民7人から市が聞き取りした体験談を掲載した。当時14歳だった男性は、ウサギ小屋を踏み台にしてトイレ小屋、そして母屋の屋根に飛び乗り1時間近く流された状況をつづった上で、「ヘビやネズミも生きるのに必死で屋根に上り私たちの体に絡みついた」と振り返った。