小林フミ(こばやし・ふみ)
1940年宇都宮市生まれ。高校卒業後、美容師の道を選ぶ。20歳で美容界のコンクール「花嫁着付けの部」優勝。その後もキャリアを重ね、着物一級着付師、美容最高師範、着物アドバイザー、職業訓練指導員として活躍。主に美容師などプロに着付けを教える。現在は学校法人TBC学院国際ファッションビューティ専門学校の講師も務める。

  マレーシアのペナン島で「マレーシア日本協会」主催の着物ショーがことし6月に開催されました。
十二単(ひとえ)をはじめ振り袖、白打掛など日本の伝統衣装が披露されるショーに、500人以上が集まりました。その舞台裏で、着付けのリーダーとして活躍した小林フミさん。4人の仲間と数十㌔にもおよぶ着物やかつらを現地のモデル35人に着付けました。
ボランティアでこのショーを引き受けている小林さん。マレーシアと日本を結ぶ活動についてや日本文化を伝え育てる教育者としての思いを伺いました。

着付文化

海外披露続ける

美容師から始まり着付け講師として活躍されています。
   美容師になると決めた際、両親から「やるなら最高の技術を身に付けなさい」と言われました。20歳で美容界のコンクール「花嫁着付けの部」で優勝してからは、常に着付けや美容のさらなる資格取得に向けて勉強してきました。
ただ着付けができる、美容ができるということではなく、技術はもちろん着物の歴史や使われている糸一本の説明まで出来るよう、この50年間、努力を重ねてきました。

マレーシアで着物ショーを開催したきっかけは。
    いとこがペナン島で国立大学の教師をしていました。2009年、そのいとこに「あなたの高い技術をぜひ現地の人々に見せてあげて」と頼まれ、ボランティアで着付けと着物文化の説明をしたのが始まりです。現地の方の喜ぶ顔を見て、気付けば毎年マレーシアに行くようになりました。いとこが在籍している「マレーシア日本協会」の協力もあり、小さな着物ショーや着付け、メーク実演などを行ってきました。14年にはマレーシアから親善大使を任命され、200人規模の着物ショーを開催しました。


マレーシアでのショーの様子。花嫁衣装にベールをつける斬新さも披露


大歓声があがった十二単と衣冠束帯。
頭からつま先まで完璧に
苦労したこと、大変だったことは。
   十二単や白打掛など、着付けやメーク、髪結いができる人は限られてきます。500人規模のショーでは、2時間の間に35人分の着付けなどを行うので実力ある人が必要です。そこで、着付け講師の高橋君子さん、原町子さん、青山かほるさん、矢口しづかさんの4人に声を掛けました。ボランティアであるにもかかわらず、4人とも快く協力してくれました。 ショーが行われるホテルの会場の下見から導線の確保など、着付け以外の仕事も山積みで、夫と現地に数カ月間滞在し、現地の方の協力を得て準備を進めました。家族、仲間、協力してくれた皆さんのおかげと心から感謝しています。




今後の抱負はいかがですか。また、小林さんにとって着付けとは。
   ずばり、若い人を育てたい! これに尽きます。世界で一番美しい日本の衣装「着物」を自由に操れる技術を惜しみなく伝えていきたいのです。 着物はワンサイズです。それをその人の体に合わせて着られる素晴らしい衣装です。着付けられた人の笑顔を見ると、喜びがあふれ、私の人生をかけていこうと思います。

技術を受け継ぐTBC学院国際ファッションビューティ専門学校の学生と一緒に。
仲間の一人である矢口さん(右)を迎えて

メ モ

 (問)学校法人TBC学院 
国際ファッションビューティ専門学校
☎028・614・2336



WEB限定ショット

マレーシアでのショーの最中、マレーシア側の好意で携わった先生方の紹介と記念品贈呈が行われた様子。

左から、矢口しづかさん、青山かほるさん、原町子さん、高橋君子さん、小林フミさん。